「知財管理」誌
Vol.54 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 54巻(2004年) / 13号 / 1943頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | 近時の米国CAFCの裁判官の間におけるクレーム解釈手法の対立-Wagner論文及びPhillips対AWH事件の紹介- |
著者 | 岩瀬吉和 |
抄録 | 米国特許のクレーム解釈に関するルールはCAFCによって統一されることになっているが、Polk Wagner助教授によれば、CAFCの裁判官の間にクレーム解釈手法に対立があり、これが事件の結論にも影響を及ぼしている。すなわち、CAFCの裁判官のクレーム手法は、手続遵守的解釈と総合的解釈の二つに大別でき、裁判官はいずれの解釈手法を多く用いるかによって、手続遵守的解釈主義者、総合的解釈主義者及び中立的裁判官(事件によって両方の解釈手法を使い分ける裁判官)に分けられるとする。この対立は、2004年4月のPhillips対AWH事件のCAFC判決に明確に現れているところ、CAFCは、同年7月、この判決を取消し、大法廷審理を命じた。本稿では、Polk Wagner助教授の論文の概要を紹介した上で、同事件の大法廷審理命令を引用し、そこでCAFCが当事者及び第三者に論議することを求めた論点を紹介する。 | 本文PDF |