「知財管理」誌
Vol.52 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 52巻(2002年) / 9号 / 1281頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | リサイクル品と特許権との関係の検討(その1) |
著者 | 特許第2委員会第5小委員会 |
抄録 | 近年、環境保護の観点から、不用品や廃棄物の使用可能な部品を再利用するリサイクルが盛んに行われつつある。ところで、特許権者等から特許製品を購入した第三者が該特許製品を使用することについては、いわゆる消尽理論により原則自由に使用できることは周知の通りであるが、第三者がそれを使用した後に、使用可能な部品を利用したリサイクル品を、再度、市場に投入した場合には、特許権との関係で該リサイクル品はどのように取り扱われるのであろうか。本稿では特許製品がリサイクルされた場合において、リサイクル品と特許権との関係を検討すべく、日本、米国におけるリサイクルに関連する判決を整理した。また、各判決についてリサイクル品からみた狭義の消尽理論(客体に基づいた理論)と権利者の意思が反映された理論(客体に主体的な側面を加えた理論)の二つの観点から大別して考察すると共に、侵害成否の判断に至るまでの理論構成についても検討を行った。 |