「知財管理」誌
Vol.52 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 52巻(2002年) / 8号 / 1127頁 |
論文区分 | 特集(中国) |
論文名 | 中国における模倣品問題の現状と対策 |
著者 | 関和郎 |
抄録 | 中国における模倣品問題は、日本企業のビジネスにも重大な影響を及ぼしている。最近では、ニセモノ自体の品質が向上し、外観からは本物との区別が難しいほどに完成度が高まる一方、電気・機械分野の製品では、いわゆる商標のデッドコピーから、もじり商標による商標権侵害、意匠権侵害へと被害の態様が変化している。また、中国内での模倣品の製造・販売は、都市部から農村部、沿海部から内陸部へ移行しつつあり、輸出も急増し、WTO加盟後も予断は許さない。ニセモノ対策の成果をあげるためには、中国における権利確立、摘発・取締りを効果的に進める一方で、社内的には総合的な対応策を策定する必要があり、社外的には欧米を含めた民間企業同士の協力、官民連携の対策が重要である。さらに、現地での調査や取締り、政府に対するロビーイング等のオペレーションは、日本人だけで行うことは難しく、社内外の中国人の力をどれくらい活かせるかが勝負の分かれ目となる。 |