「知財管理」誌
Vol.52 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 52巻(2002年) / 3号 / 361頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.282 著名商標を含む商標と出所混同のおそれ ――パームスプリングスポロクラブ事件―― |
著者 | 西博幸 |
抄録 | 本事件は、被服等を指定商品とした「POLO/ポロ」を含む商標に関するものであり、特許庁ではラルフ・ローレンの商標と出所混同を生じる虞があるとして、商標法第4条1項15号違反で拒絶されたが、東京高裁で審決が覆され、これに対する特許庁の上告が認められて高裁判決が破棄された事例である。最高裁では、同15号に関して平成12年7月12日判決のレール・デュ・タン事件でも高裁判決を破棄して自判しており、同15号についてのおおまかな判断基準は確定したといえる。本事件は、引用商標が元々は識別性が高いといえない点で特徴があり、これに最高裁は一つの答えを出している。しかし、実務家が心すべき点は、フリーライドやダイリュージョンを強調している最高裁の意図を忖度し、顧客吸引力の源泉はどこにあるのかという点から、出所混同を判断しなければならないということではないかと思われる。 |