「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 1号 / 35頁
論文区分 特集(バイオを取り巻く知的財産の現状)
論文名 ポスト・ゲノム時代の知的財産権 ―核酸から蛋白質へ―
著者 永島廉平
抄録 知的財産権の内容は最近格段に変化している。今は、これまでと、これからの知的財産権の対象を整理して考える良い機会である。これまで知的財産権の中心的対象は、どちらかといえば核酸であったが、これからは蛋白質に移る。特に蛋白質―低分子化合物相互作用と、蛋白質―蛋白質相互作用の解析に必要な技術、解析の成果が知的財産化される。新しいスクリーニング法、コンピューターを用いる情報解析技術も蛋白質を中心としてさらに発展し、それぞれが知的財産権の対象になるに違いない。筆者たちのグループはリバース・プロテオミクスという考え方でこれらを追求することを計画している。もうひとつ考えておきたいのは、知的財産権制度の意義である。歴史的な意義の問題、一般的な理解を超えて、社会的なバランスやハーモニゼーションというような観点から、知的財産権制度の個々のルールがどうあるべきかという点である。これについても触れる。
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