「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 9号 / 1389頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ポストゲノム時代の特許戦略 ―スクリーニング方法特許を巡る諸問題― |
著者 | 大野聖二 |
抄録 | スクリーニング方法の発明に関して、スクリーニング方法で得られた特定の活性作用を有する化合物という広い範囲の特許権を認めることは明確性の原則に反しており、認めることはできない。スクリーニング方法の発明は、単純方法の発明と理解すべきであり、その権利範囲は、当該発明の使用に限られる。試験・研究のための実施との関係に関する通説的な見解は、スクリーニング方法の発明の特性に適しておらず、新たな基準を検討する必要がある。損害賠償に関しては、特許法102条の解釈論を通じて、これにより得られた医薬品の利益を考慮して算定できる。しかし、スクリーニング方法により得られた成果物それ自体に権利が及ばない以上、発明者の保護は十全なものとはいえず、立法的な解決が必要である。 |