「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 7号 / 1075頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.274 プロダクト・バイ・プロセス クレーム特許の技術的範囲―単クローン性抗体事件― |
著者 | 三枝英二 |
抄録 | 判決は、プロダクト・バイ・プロセス クレームの特許の対象は物の発明であるから、製造方法に限定して解釈する必然性はないと述べた上で、「しかし特許の対象を当該製造方法に限定して解釈すべき事情が存する場合には、特許の対象が当該製造方法に限定される場合があり得るというべきである。」としている。そして判決は、審査経過を検討し、更にクレームに記載された「製造方法の部分」の「単クローン性抗体の選別過程」の意味を検討し、本件においては特許の対象を当該製造方法に限定して解釈すべき事情が存すると判示している。「特許の対象を製造方法に限定して解釈すべき事情」は、クレームに記載された製法が特許性審査の対象となり、製法に特許が付与されたと認められるケースのような特別な事情でなければならないと考える。本判決が製法に限定して解釈すべき事情があると指摘する事実には、そのような特別な事情はないようにみえる。 |