「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 7号 / 1055頁 |
| 論文区分 | 論説 |
| 論文名 | 産業界から見た産官学連携への期待 |
| 著者 | ライセンス委員会第2小委員会 |
| 抄録 | 日本の長期的な不況からの脱却、国際競争力強化等の視点から、ここ数年来、大学等技術移転促進法、産業活力再生特別措置法30条(いわゆる日本版バイ・ドール法)などの主に研究開発分野での産官学連繋強化のための各種法律が施行され、従来の枠を打ち破る新たな動きが始まっている。しかし、産業界の立場から見ると、まだまだ抜本的な改善を要すると思われる課題も少なくない。特に、国との共同研究及び国への委託研究については日本版バイ・ドール法が適用されず、成果帰属の面では、国からの委託研究の成果帰属と比較したとき一種の逆転現象とでも呼ぶべき現象をもたらしている。また、大学等の技術移転機関(TLO)の枠組みと運用についても、今のところ、モデルとなった欧米諸国のそれとは基本となる部分で微妙に異なっており、TLOを生かしていくための抜本的な制度改訂の検討も必要であろう。今後、産官学双方向から普段着感覚で働きかけのできる緊密な研究協力関係の確立を目指して、産官学連繋における共同研究・委託研究の成果帰属と実施に関する改善、産業界側からの積極的な情報発信に繋げて行きたい。 |
