「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 4号 / 517頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 特許無効による権利濫用法理の研究 |
著者 | 鮫島正洋 |
抄録 | 従来、特許の有効性の判断は特許庁の専権事項とされており、侵害裁判所においてこれを判断することはなかった。ところが、平成12年4月11日に出された富士通-TI最高裁判決(平成10年(オ)第364号)以降、侵害裁判所においても積極的に特許の有効性を判断しようという動きが活発になっている。本稿においては、そもそもの枠組みである有効性判断=特許庁の専権という法体系上の前提を憲法・行政法の見地から説明した上で、これとの関係で上記最高裁判決の法的な位置づけを明確にし、かつ、上記最高裁判決以降に出された判例をもとに、実務上もっとも重要であると思われる「特許に無効理由が存在することが明らか」という権利濫用法理の適用要件の射程範囲について研究する。 |