「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 3号 / 357頁 |
論文区分 | 特集(著作権法制の現状と未来) |
論文名 | 「著作物」の射程距離 |
著者 | 吉田大輔 |
抄録 | 著作物とは何を指すのかは著作権を議論する際の出発点である。本稿では、著作権法上の著作物に関する定義規定に即して著作物性に関する5つの判断基準を分析するとともに、例示規定及び著作物から除外されているものに関する規定や過去の判例等を手がかりに著作物の具体的な範囲を明確にする。また、二次的著作物、編集著作物、データベースの著作物及び共同著作物という特殊な類型の著作物についてもその著作物性の判断基準を分析する。これらを基本として、著作物性について従来から議論のある、応用美術、タイプフェイス及びキャラクターを選び、それらに対する著作権による保護の可能性について、立法時の考え方や過去の判例を基に議論の現状を紹介する。さらに、著作物の例示に掲げられていない種類の著作物の可能性に触れるとともに、一方では、著作物として認めた効果や影響などにも配慮した総合的な検討が必要であるとしている。 |