「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 1号 / 7頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国特許法の第二次改正と残された問題 |
著者 | 中島敏 |
抄録 | 中国特許法の第二次改正法は、2000年8月25日に全国人民代表大会常務委員会において成立し、2001年7月1日から施行されることになった。第二次改正の目的は、中国がWTO加盟を目前にして、特許制度を「TRIPS」協定に規定されている国際的基準に合致させること、特許出願に対する審理期間を短縮し特許権を早期に確定すること、特許権の効力を強化すること等である。改正条項の主な内容として、日本特許法における付与後異議に類似する制度である特許権取消請求制度が廃止され、特許復審委員会の決定に対する司法審査の範囲が拡大された。特許権の効力については、特許権者の許諾を得ることなく特許製品を「輸入」する行為および「販売の申し出」をする行為も特許権侵害に該当することが規定された。また、特許権侵害に対する損害賠償額の算定に関する規定が新設された。しかし、今次改正によっても実現されなかった若干の問題が残されている。 |