「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 1号 / 27頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 分割出願の客体的要件についての考察 ―光ファイバ特許はなぜ登録されなかったのか― |
著者 | 鈴木壯兵衞 |
抄録 | 平成6年改訂審査基準によれば、分割後の原出願(親)に係る発明と分割出願(子)に係る発明が、同一でも適法な分割出願と扱う。即ち、分割出願が適法であり、分割出願に係る発明を分割後の原出願に係る発明が同一である場合には、特許法第39条第2項の規定が適用される。また、平成10年改正法の特許法第39条第5項によれば、拒絶査定、拒絶審決が確定した先願は、はじめからなかったものとみなされる。この2つの変革を視点に分割出願に係る判例:昭59(行ケ)262号を検討した。この判例は審決時/口頭弁論終了後に、分割後の「親」が存在していないのに、ダブルパテントを理由に、パイオニア発明である光ファイバ特許(分割出願)が登録されないという結果に至った例である。「分割出願の客体的要件」に検討を加えると同時に、この判断に関する法の運用が、産業界全体、産業政策に大きなインパクトを与える可能性を紹介した。 |