「知財管理」誌
Vol.51 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 51巻(2001年) / 10号 / 1547頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 著作権の成立と保護範囲 |
著者 | 牛木理一 |
抄録 | 著作権の保護範囲は、外面的表現形式から入って内面的表現形式に及ぶが、さらに着想(アイディア)には及ばないと考えるのが通説であり、これに対し特許権や意匠権の保護範囲は着想に及ぶから、この点が知的財産権にあっても違うところであると解するのは、主に著作権法関係者である。ところが、工業所有権法関係者から見れば、特許権にはクレームがあり、均等論はあってもその適用には限界があるし、意匠権には類似の範囲はあってもそれ以上の保護はないことと比較すれば、両者の間には知的財産権としての保護範囲の考え方について、本質的な違いは認められないのである。そこで、著作権侵害事件に関するわが国の目立った裁判例を解析し、そこから著作権のあり方について考えたのが今回の論稿である。 |