「知財管理」誌

Vol.50 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 50巻(2000年) / 3号 / 323頁
論文区分 論説
論文名 特許流通促進事業の現状について
著者 稲谷稔宏
抄録 特許流通促進施策についての内容紹介に続いて、平成9年10月より実施されている、「特許流通アドバイザー」を中心とする特許流通支援事業の現状を概説する。施策を構成している各種の道具立て(特許流通データベース、特許流通フェア、特許マップなど)を活用して、各都道府県で実施されている支援事業の実施状況は、(1)各都道府県内の企業に対する支援事業の広報(セミナー等での説明、アンケートの実施、フェア等への参画、広報誌・新聞等への記事掲載など)と(2)具体的な「特許開放企業」―「導入企業」間のマッチングの支援である。これらを活用した、これまでの特許流通事例の全体像ならびに雛形となると考えられる流通事例の8事例について、特許流通アドバイザーとの関連の特徴を示しながら、支援事業の現状を紹介する。きわめて、商品・技術のライフサイクルが短い時代、中小・ベンチャー企業は、他社等で開発された技術を導入して、開発に要する「人・物・金・時間」の効率化を図る必要がある。これまでの流通事例の中から、「目にみえた収益」が上がったという具体的な事例が見え、支援事業がその役割を担ったと言える日が、近い将来、現実のものとなることを期待したい。
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