「知財管理」誌
Vol.50 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 50巻(2000年) / 1号 / 85頁 |
論文区分 | 特集(企業を取り巻く環境の変化と知的財産戦略) |
論文名 | プロパテント時代のライセンス交渉 ―多数の部品から構成される製品分野の問題点について― |
著者 | 中野謙一 |
抄録 | プロパテント時代のライセンス交渉においては、権利者は高圧的交渉姿勢をとり、実施料要求は高額化すると予想される。このような傾向が、多数の部品から構成される製品分野のライセンス交渉で顕著になると、交渉は極めてリスクが多く不安定なものとなり、活発な技術交流が阻害されよう。この結果、競合企業による技術の磨き上げ効果が減殺し、改良技術を累積させる商品化技術力が衰える可能性が出てくる。日本が引続き国際的な技術競争力を発揮し続けるには、基礎技術の権利保護環境を整備すると同時に、すぐれた改良技術の発生を促す「技術交渉しやすい」環境の維持にも配慮すべきである。ライセンス交渉では、合理性を追求する態度を崩さずに、冷静かつ節度ある権利主張が期待される。 |