「知財管理」誌
Vol.50 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 50巻(2000年) / 1号 / 33頁 |
論文区分 | 特集(企業を取り巻く環境の変化と知的財産戦略) |
論文名 | 発明者へのインセンティブ ―報償制度のあり方― |
著者 | 高橋甫、畔上隆治 |
抄録 | 経済環境も、知的財産環境も著しく変化してきている。大多数の従業員が終身雇用制度下の安定した環境の中で、社会のために研究開発、発明創作をし、適切な対価を受領し、またそれなりにプロモーションがあった20世紀は終わり、21世紀を迎えようとしている。年俸制の導入、転職問題と従業員それぞれが未経験の問題に遭遇し、結果として契約マインドが欧米並に高まってきている。従来にもまして知的財産権を企業戦略上の重要な資産として活用する風潮の中で、発明考案の対価も高騰化しつつある。発明者のインセンティブを高めるためには、ただ単に高額な報償金を支払うというのではなく、対価決定の合理性、公平性並びに支払の迅速性が要求される。そのため補償・表彰制度の見直し、権威ある発明評価委員会の設立が必要である。また、対価決定のための、公的なガイドラインの制定も期待される。 |