「知財管理」誌
Vol.50 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 50巻(2000年) / 11号 / 1685頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 故意認定回避のために鑑定書を開示した場合の弁護士特権放棄の問題について |
著者 | 特許第2委員会第2小委員会 |
抄録 | 米国の特許侵害訴訟において侵害の故意性を攻撃された場合、被疑侵害者は、自らの行為がbad faithに基づくものではなかったことを立証するために、「特許無効」あるいは「非侵害」といった結論の鑑定書を証拠として開示して防衛する必要がある。しかしながら、鑑定書の開示は、必然的にattorney-client privilege あるいはwork product doctrineに基づく非開示特権の放棄につながることとなるため、そうした特権放棄がその後の訴訟戦略にどのような影響を及ぼす可能性があるのかを十分に認識しておかねばならない。そこで本稿では、「故意侵害ディフェンスの抗弁で鑑定書を開示した場合、特権放棄の範囲がどこまで広がるか」が争点となった判決の分析を通じて、実際の裁判の場ではどのような点が問題となり、どういった判断が出されているのか、またそれによる訴訟戦略への影響や留意点は何か、といった問題について、鑑定書を開示する立場から考察した。 |