「知財管理」誌
Vol.50 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 50巻(2000年) / 10号 / 1507頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 実施と実施許諾から見た共有特許権に関わる問題 |
著者 | 特許第2委員会第2小委員会 |
抄録 | 共有の特許権に関わる問題について、実施と実施許諾の観点から、共有の特許権に係る発明を共有者自身による実施と認められる範囲で第三者に委託しようとする場合の、実施許諾との境界について検討した。特許権の共有者の一人が、共有の特許権に係る物品の製造を第三者に委託することは、一定の要件を満たしていれば共有者自身の実施の範囲であるとするのが通説となっている。しかし、委受託による特許発明の実施を無制限に認めてしまうことは、委託という名目で事実上の実施許諾が容認されてしまうことになる。アウト・ソーシングの形態が大きく変化している今日、共有者自身がどこまで関わっていれば共有者自身の実施の範囲と考えるべきかを検討し、委託先での特許発明の実施に共有者が何らかの形で関わりを持ち、事業の主体が共有者自身であれば、共有者自身の実施の範囲と考えて良いのではないかと考えた。しかし、製造から販売までの全てを委託することは、共有者自身の実施の範囲を超えるのではないかと考えた。 |