「知財管理」誌

Vol.49 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 49巻(1999年) / 6号 / 767頁
論文区分 特集(マルチメディアと法的保護―新領域を中心に―)
論文名 サービス産業における知的財産権等の保護の動向
著者 大谷和子
抄録 「経済のサービス化」に伴う法政策の変化が端的にみられるのは知的財産権の分野である。サービスマーク制度の導入及びソフトウトウェア特許ガイドライン(審査基準)の改定により「より広い」保護が認められるようになったことを契機として、サービス産業においても工業所有権への関心の高まりが見られる。それは、近年の規制緩和による自由化を背景としたメガコンペティションの時代に、独自性のあるサービス企画とその排他的権利による保護が喫緊の課題となったからでもある。この一連の動きにさらに拍車をかけたのが、米国のシティーバンクによる電子通貨システム特許の登録であった。わが国では、1998年9月に拒絶審査が出された後、異議の審判手続に入っているが、経営戦略と密着した広範な特許出願の意欲は、わが国のサービス産業を刺激することとなった。しかしながら、サービス産業における特許戦略は、いまだに後れをとっているといってもよい。その原因を情報サービス産業を題材に分析し、今後の課題をさぐる。
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