「知財管理」誌
Vol.49 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 49巻(1999年) / 6号 / 755頁 |
論文区分 | 特集(マルチメディアと法的保護―新領域を中心に―) |
論文名 | インターネットにおける著作権保護の現状と将来 |
著者 | 久保田裕、葛山博志、坂田俊介 |
抄録 | インターネット等のネットワークの普及に伴い、これを悪用した著作権侵害は急増している。例えば、ソフトウェアを画像ファイルに埋め込むもの、違法サイトへのリンク、画像の置き換え等侵害の形態は、技術の発展に伴い多様かつ複雑なものになっている。ネットワークを悪用した著作権侵害には「気楽に」侵害がなされるという雰囲気が漂う。主な原因は、匿名性、証拠の欠如と認知の困難性などが挙げられる。著作権侵害等の不正行為を放置することは、被侵害者の個人的利益を侵害するのみならず、ネットワークに対する信頼を低下させることになりかねない。そこで、ネットワークを悪用した不正行為に対して十分な救済がなされるシステムが必要となると考える。わが国では、ネットワーク化に対応して著作権法が改正されたが、今後は、このような法改正が実効あるものとされるための技術的又は制度的な整備が著作権保護の中心となってこよう。 |