「知財管理」誌
Vol.49 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 49巻(1999年) / 4号 / 461頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | セット商品であってかつ他人の権利が内在する商品が不正競争防止法により保護された事例 ―ぬいぐるみタオルセット事件― 大阪地裁平成7年(ワ) 第10247号 不正競争防止法に基く損害賠償請求事件 |
著者 | 宇野元博 |
抄録 | 本事件はタオル製造卸業者X(原告)が大手ギフト販売業者Y(被告)に対して、Yが販売したぬいぐるみタオルセットはXの商品形態を模倣したものであり、不正競争防止法第2条第1項第3号に該当するとして、損害賠償を求めた事例である。大阪地裁は、被告が商品開発の際、被告商品を参考にして、原告の商品を主観的に模倣したことが推認されるとして、原告の主張を認め、損害賠償金の支払を命じた。本事件では、「被告商品は原告商品を模倣したものかどうか」および「原告商品の形態が第三者の権利を侵害する場合でも、不正競争防止法の保護が受けられるかどうか」の2つを争点が主たる争点として争われた。本稿では、この争点に内在する「模様」と「セット商品」の考え方、および、「第三者権利を侵害する商品が不正競争防止法で救済されるべきか否か」について考え、実務上の留意点について指摘を試みた。 |