「知財管理」誌
Vol.49 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 49巻(1999年) / 3号 / 345頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 標準化と特許権の関係に関する企業の観点からの考察 ―標準化を推進する立場からの論考― |
著者 | 山田肇 |
抄録 | 標準化活動を推進する立場から、標準化と知的財産権の調和をどこに求めたらよいかについて議論する。技術が複雑化し、また技術の融合領域に研究開発の主戦場が移動すると共に戦略的提携の重要性が強調されるようになった。標準化活動もそのような戦略的提携の一形態である。特許権を含む世界標準が作成され、それによって新しいサービス・製品市場が拓けば、その特許権者は特許権に密接に関連する技術資産を早期に利用する機会を得る。企業がこの先行者利益を得るためには、標準化団体の知的財産権取り扱いルールに沿って「合理的条件で非差別的に」という使用許諾条件を選択する必要がある。標準化団体側も参加者がこの条件を選択しやすくするために、使用許諾を拒否する参加者には技術的な説明義務を課したり、許諾交渉に際しての対抗条件を用意するなど、取り扱いルールの改善を進めている。 |