抄録 |
1998年6月15日から19日にかけて、WIPO国際会議場(WIPO本部:ジュネーブ)で特許法常設委員会(Standing Committee on the Law of Patents:SCP)第1回会合が開催された。本会合の目的は、特許法に関する種々の議題を取扱うことであるが、現在の最優先課題は、特許法条約(PLT)草案の検討である。本条約は、「利用者の利便性(user-friendly)」の観点から、特許に関する書類記載事項と手続を簡素化し、国際調和を図ることを目的としている。会合は、議長団選出に続き、SCPの進め方に関する取り決めがなされた後、一般宣言が各国政府代表および民間団体から表明された。そして次回以降採用する議題につき討議した後、WIPO国際事務局が作成したPLTの草案について、条文およびその関連規則ごとに検討がなされた。今回の草案では、前回の草案第14条「更なる手続;権利の回復」が、第14条「出願の更なる手続または回復」と第15条「権利の回復」に分割されるという大きな変更と共に、前回会合で合意された変更がなされている。今回、全条文についての討議は終了しなかったため、さらに1998年11月16日〜20日に開催されるSCP第1回会合第2部で議論される。本会合では専らPLTについて議論される予定である。 |