「知財管理」誌

Vol.49 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 49巻(1999年) / 12号 / 1693頁
論文区分 論説
論文名 判例の流れと権利の範囲
著者 富田徹男
抄録 このところの最高裁の判例を見ると、権利の濫用を禁止するという一つの流れが認められる。そこで特許権の性格についての判例を検討すると、出願広告決定後の分割について「技術公開の代償」として特許が与えられる判示がある。また最近の判決は、特許法の特殊性について考慮を払うよりも、民法や商法のような基本法の立場を優先している。このような傾向から見て、今後の特許権の権利範囲についての判決の方向を検討すると、明細書開示の範囲を越えた権利主張には厳しい判断がなされると予想される。
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