「知財管理」誌
Vol.49 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 49巻(1999年) / 11号 / 1603頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | ドイツの従業員発明法は効果があったか? |
著者 | カールマイヤー、三輪昭次(訳) |
抄録 | 従業員発明法(以下「従発法」という)は、1942〜3年の国家社会主義軍部大臣によって出された命令に遡るものであり、これまで成功しなかった。その理由は、この法律が(1)雇用者と従業員発明者の利益の調整を当初意図したようには図れず、逆に雇用者に一方的な負担を強いた。(2)当初意図したようには技術革新を図れず、逆にそれを阻害した。(3)ドイツの企業にとって他の多くの不利益―(イ)労働環境に対する悪影響(ロ)国際的な協力に対する障害(ハ)事業所の立地点としてのドイツへの投資判断に対する逆効果―をもたらした。そこで次のことを提案する(1)「従発法」とその支払いに関するガイドラインの廃止(2)企業の事業分野に属する従業員発明全ての自動的な企業への帰属(3)それ以外の発明の従業員への帰属(4)企業に帰属させた発明の自主的な内部合意による取り扱い。この結果ドイツを事業所立地点と考えた場合の不利の一つが解消されると共に従業員発明に関するヨーロッパ域内でのハーモナイゼーションがずっと容易になる。 |