「知財管理」誌
Vol.49 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 49巻(1999年) / 10号 / 1443頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.254 商品形態の模倣 ―オーブントースター用網焼きプレート事件― |
著者 | 古谷栄男 |
抄録 | 本件事件は、オーブントースター用網焼プレートにつき、被告製品が原告製品の形態を模倣したものであるとし、被告らの行為が不正競争2条1項3号にいう不正競争に該当するとして、損害賠償の請求が認められたものである。判決は、模倣の客観的要件につき、原告製品と被告製品には、相違点が存在するが、この相違点が被告製品において特に費用をかけて商品の機能上あるいは外観上意義のある改変が行われたものとも解しがたいから、両製品の実質的同一性を失わせるには至らない程度のものと認めるのが相当である、と判断した。さらに、主観的要件につき、トレイや網の形状、模倣等において具体的形態の選択肢があり得ると考えられるのに、被告らはあえて先行品である原告製品の形態と実質的に同一な形態を被告製品の形態として採用したものであるから、被告製品は原告製品の模倣であるというべきであると、判断している。 |