「知財管理」誌
Vol.49 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 49巻(1999年) / 10号 / 1425頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 最近のCAFC判例における権利範囲の解釈(その2)(完) ―特にワーナージェンキンソン・マークマン両最高裁判決後に注目して― |
著者 | 特許委員会第2グループ第3小委員会 |
抄録 | 1996年のMarkman最高裁判決において、クレーム解釈の判断主体についての判断が出され、1997年のワーナージェンキンソン(WJ)最高裁判決において、均等論に関する新たな判断が出された。この両最高裁判決はその後の裁判所の権利解釈に関する判断に大きく影響を与えていると思われる。そこで、本論文においては、これらの有名判決がでてから現在に至る約2年間の判例約60件を研究し、最近の権利解釈に係る判例の流れについて報告するものである。Markman最高裁判決でクレームの文言解釈が裁判官の専権事項であることが確認され、裁判官による厳しいクレーム解釈がされる傾向が見られた。WJ最高裁判決の影響については、“all elements rule”の採用が確認されたことによって、均等論の適用の際に構成要件毎の検討が厳しくなされる傾向が見られた。しかし、先行技術排除目的で補正した場合の禁反言の適用範囲についてはCAFCレベルでもまだ若干不明確さが残っているようである。 |