「知財管理」誌
Vol.49 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 49巻(1999年) / 10号 / 1371頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 注射方法及び注射装置事件に見る均等論の適用 |
著者 | 早坂巧 |
抄録 | 本件は、注射液の調製方法の特許権につき、均等論の適用により侵害が認定され、差止請求が認められた事件である。平成10年2月24日の最高裁均等論判決後に均等論により侵害が認定された最初のケースであり、どのような状況のもとに均等要件充足と判断されるかについての具体的手掛かりとして、貴重な先例である。その意味から、事件の内容をまとめて具体的に紹介し、且つ多少の検討を加えることにより読者諸子の参考に供したい。また本件では、異様に広いと思われるクレームに対し特許がなされたということが、事件全体を方向付けている。そのことはまた、プロパテント一色の現在の潮流にひそむ問題を予見させる。その点についても、紙面の許す範囲で検討を加えたい。なお本件は控訴されている。 |