「知財管理」誌
Vol.48 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 48巻(1998年) / 7号 / 1067頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.241 「チボリ」の名称を付した営業表示及び登録商標の周知性及び類似性について |
著者 | 加藤幸江 |
抄録 | 本件は、「チボリ」の表記を商号中に含む兵庫県宝塚市の会社が、デンマークの都市型遊園地として有名な「チボリ公園」を運営するチボリ・インターナショナル社から「チボリ公園」の名称及び公園運営のノウハウの使用について許諾を受けて岡山県倉敷市に新たに都市型遊園地を建築中である会社に対して、不正競争防止法及び商標法に基づき、商号等の差止め並びに損害賠償請求をした事案であり、判決は、原告Xの主張する営業表示に識別性・周知性を認めず、また商標の識別性について、本件登録商標は地名と「チボリ」という称呼が一体となって初めて識別性を有するようになるとして、登録商標と地名の部分が異なる被告Yの使用標章との類似性を否定して、請求を棄却した。判決は、わが国におけるデンマークのチボリ公園の認識度を非常に高価なものと判断していると思われ、Xの営業表示の認識性・周知性、登録商標との類似性の判断に当たり、随所にこの点を強調しているが、いま少し詳細な検討がほしかったところである。 |