「知財管理」誌
Vol.48 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 48巻(1998年) / 4号 / 515頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ボールスプライン最高裁判決に関する一考察 |
著者 | 特許委員会第2小委員会 |
抄録 | 東京地裁(昭和58年(ワ)12677号;平成3年4月19日判決)における非侵害の判決の後、その控訴審たる東京高裁(平成3年(ネ)1627号;平成6年2月3日判決)において、均等論による侵害と判断され、上告されていた標記事件について、ほぼ4年が経過した平成10年2月24日に最高裁(BBS判決と同じ第三小法廷)において、判決が言渡された。結論は、破棄差戻であったが、判示には、均等論に関する基本的考えや、我が国において初めて、「均等範囲における、進歩性(新規性だけではない)を含めた自由技術水準の参酌」(米国のウィルソン・スポーツグッズ事件やドイツのフォルムシュタイン・ディフェンスに相当する)について判断した点等、極めて影響が大きく、興味深い内容が含まれている。以下に、地裁及び高裁の判断事項を紹介しつつ、最高裁の判示内容を検討する。なお、最高裁のホームページ(www.courts.go.jp)においては、本件について、「明細書の特許請求の範囲の記載と一部異なる製品等が特許発明の構成と均等なものとしてその技術的範囲に属すると解すべき場合」という、要旨が付されている。 |