「知財管理」誌
Vol.48 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 48巻(1998年) / 3号 / 311頁 |
論文区分 | 特集(技術標準と知的財産) |
論文名 | 技術標準と知的財産権のかかわりに関する課題 |
著者 | 苗村憲司 |
抄録 | 技術標準の開発に際して、特許、著作権等の権利がかかわる場合が増加してきた。内外の主な標準化機関はこれに関する取扱い手続を定めているが、その手続は機関によって異なり、また、標準が確定した後に判明した権利の取扱いについて適用が困難であることなど、さまざまな問題があることが指摘されている。本稿では、これらの問題の背景を再確認した後、産業のグローバル化・競争市場化・ソフト化ならびに主要国における行政改革の動向に伴って技術標準の位置づけが大きく変貌しつつあることに注目し、この結果、技術標準にかかわる知的財産権の意義とその取扱い方法を基本的に見直すべき時期が来ていることを指摘する。特に、新技術開発を進める企業は、市場企画部門、知的財産管理部門、技術標準化担当部門、法務部門の協力の下で総合的・戦略的な方針を定め、これに基づいて合理的かつ効率的な対応をすることが必要となろう。 |