抄録 |
インターネットの普及に伴い、インターネット・ドメイン名の割当てとその使用について、商標との関係で関心を集めている。商標制度では、国毎、商品・サービス毎に、同じ商標を2以上の者が登録できる可能性があるのに対し、インターネット・ドメイン名においては、同一のドメイン名の登録は、一の個人・団体に限定され、2以上の者の登録を認めていない。インターネットドメイン名には、その一部にハウスマーク等の商標と同じ文字列を用いていることが多いことから、ドメイン名は出所表示等の観点から、商標的使用に該当するものであるといえるが、ドメイン名の割当ての際には、商標の問題はほとんど考慮されていない。それにより、インターネットのドメイン名の割当てと国内外の商標法とが一部抵触する事態が生じている。このような状況において、WIPOでは、「商標とインターネット・ドメイン名」に関する諸問題の解決に取り組むために、本年2月にコンサルタント(顧問)会合を、さらに、本年5月及び9月にコンサルタティブ(諮問)会合を開催した。当協会としては、WIPOにて提唱されている解決案に基本的に賛成である旨表明してきている。ここに、WIPOの前記各会合の概要について報告し、本件課題の理解・解決に向けての一助としたい。 |