「知財管理」誌
Vol.48 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 48巻(1998年) / 1号 / 37頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.235 優先権主張を伴う特許出願と意に反した新規性喪失の例外規定中の「特許出願」の意義 |
著者 | 筒井豊 |
抄録 | 優先権主張を伴う特許出願について、優先権の基礎となる第一国出願が特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が公表された日から6月以内に出願された事実があるとしても、パリ条約4条Bは第一国出願の日と第二国出願の日との間に行われた発明の公表等の行為により第二国出願が不利益を受けないことを定めたものであって、第一国出願より前に行われた行為により不利益を受けないことを定めたものではないこと、優先権主張を伴う特許出願について特許法30条2項に規定する「特許出願」は第一国出願を意味すると解すると、新規性喪失の例外期間を1年6月まで拡大することになり、規定の趣旨に反して特許を受ける権利を有する者に不当な利益を得せしめる結果となること等に照らすと、日本を第二国出願とする優先権主張を伴う特許出願については、同項に規定する「特許出願」は、日本においてなされた特許出願を意味すると解するのが相当である。 |