「知財管理」誌

Vol.48 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 48巻(1998年) / 12号 / 1849頁
論文区分 論説
論文名 不正競争防止法における周知表示の並存と競合 ―先使用権者の地域的範囲の拡大問題を含めて―
著者 三山峻司
抄録 周知性は、不正競争防止法2条1項1号における「被侵害標章」の保護要件である。ところで、「侵害標章の側の標章」が周知状態にあるような場合に、その周知状態の取得経緯を含めて、それがどのような利益考量の要素となるか否かについては、これまであまり考察の対象にはされてこなかった。問題となる標章どうしの周知性が競合するような事例は、珍しくなくなってきている。周知表示間に衝突がある場合にどのような考察要素や利害調整による解決の糸口があるのかを検討しておくことは、実務上、必要であると思われる。このような視点からの考察は、先使用の地域的範囲の拡大の問題にも関連し、先使用を考える上でも参考となる。
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