「知財管理」誌
Vol.48 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 48巻(1998年) / 10号 / 1633頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.244 考案に係る物品自体の技術分野と技術課題の相違―冷凍コンテナ事件― |
著者 | 長谷川芳樹 |
抄録 | 本件は、進歩性「有り」とする審決が取り消された事例である。審決では、甲第1号証には本件考案の技術的課題は記載も示唆もない、甲第4号証は甲第1号証の技術的課題に関連した技術分野において共通しない、よって格別創意工夫なしに甲第1、4号証を結び付け組み合わせることができたとは言えないので、無効にできないとした。高裁判決では、甲第1、4号証は考案の対象となる物品自体は相違するが、両者は共に(上位概念で捉えたときは)共通の課題を有する、として本件考案と証拠の構成を比較し、審決を取り消した。最高裁に上告されたが棄却され、改めて無効審決がなされて確定した。技術分野や技術課題の異同が争点になっており、明細書作成等の実務に有益な教訓も多い。 |