「知財管理」誌

Vol.47 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 47巻(1997年) / 9号 / 1317頁
論文区分 資料
論文名 WIPO商標ライセンス専門家会議出席報告
著者 竹市博美
抄録 昨今ビジネスの国際的な展開が日常化しており、多国間で流通する商品やサービスに付する商標やサービスマークに関するライセンス活動が活発化してきている。一方、多くの国で商標ライセンスを商標庁など関係官庁に登録する制度が設けられているが、登録についての手続きが煩雑であったり、条件、効果が国によって大きく異なっており、時に当事者にとって大きな負担となっている。これら問題を踏まえ、WIPOは商標ライセンスの登録手続きを簡素化、統一化するための国際的なルール作りに着手した。ルール化の方法としては、拘束力を強くすることを目的として、パリ条約の修正という方法も検討されたようだが、早期にまとめることを重視した結果、商標法条約(TLT)の議定書(プロトコル)として採択される方向で進められることとなった。本年2月、国際事務局が作成した議定書条文案を検討するための第1回専門家会議が開催され、当協会は商標権者および使用権者の立場から、提案に対し基本的な賛意を表明しつつ、問題点を指摘した。用語の定義、品質管理の条項、国内法との整合性などについて多くの意見が出されたが、これらの意見を参酌しつつ、1997年中に第2回会議を開催する旨事務局から提案されている。
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