「知財管理」誌
Vol.47 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 47巻(1997年) / 8号 / 1093頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | アジア諸国における先使用権 |
著者 | 国際委員会第1小委員会 |
抄録 | 特許紛争が生じた場合の対抗策の一つに「先使用権の主張」がある。中国・韓国・台湾・タイ・インドネシア・フィリピン・マレーシア・シンガポール・インド・ベトナムの合計10カ国のアジア諸国における先使用権制度の内容について調査を行った。今回調査した10カ国のうち先発明主義のフィリピンは別として、インドを除く中国・韓国・台湾・マレーシア・シンガポール・タイ・ベトナム及びインドネシアの8カ国で先使用権を認めており、その場合の対価は、すべての国々で無償である。しかし、その具体的な内容、取り扱いについては各国で相違し、また具体的事例も少ない。従って、特許権に対抗する手段として先使用権の主張を選択する場合には、各国のプラクティスに十分留意すると共に、現地専門家のアドバイスによる周到な準備が必要となろう。 |