「知財管理」誌

Vol.47 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 47巻(1997年) / 7号 / 907頁
論文区分 論説
論文名 米国特許訴訟における新たなクレーム解釈手続き― マークマン・ヒヤリングを中心として ―
著者 国際委員会第2小委員会
抄録 1996年4月23日、米国最高裁は、マークマン事件において、「特許クレームの用語を含めた特許の解釈は、独占的に裁判官の権限下にある」と判決し、連邦巡回控訴裁判所(Court of Appeals for the Federal Circuit:CAFC)の大法廷による判決を認容した。これにより、特許クレームの解釈に陪審員が関与せず、それが裁判官の専権事項であることが最終的に確認された。最高裁は、クレーム解釈に関する歴史的経緯、裁判官と陪審員のクレーム解釈能力、及び普遍的なクレーム解釈の確立の三つの観点からクレーム解釈の主体を検討し、その結果、それらいずれの観点においても裁判官の方がクレーム解釈の主体として好ましいと判断した。国際委員会は、平成8年6月号の「知財管理」誌において、「クレーム解釈における陪審の役割」と題して米国のマークマン事件に関連する論文を発表した。その論文は、最高裁判決によってCAFC大法廷判決が確認される前に寄稿されたものである。従って、その論文では、クレーム解釈に関する歴史的経緯の中でのCAFC大法廷判決の位置付け及びその問題点について考察したにとどまっている。また、CAFC大法廷の判決以後2年程経過したが、その間、多くの事件においてマークマン事件が引用され、クレーム解釈の手続きが行われている。本稿では、かかる状況の下、マークマン事件後の地裁事件及びCAFC事件を調査し、マークマン事件がクレーム解釈の手続きに対して与える実務的影響を探求する。調査した事件は文末の一覧表の通りである。
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