「知財管理」誌
Vol.47 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 47巻(1997年) / 5号 / 691頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | ヘーグ協定改正について(第6回専門家委員会報告) |
著者 | 加藤実、松浦正樹 |
抄録 | 現行ヘーグ協定は、工業意匠の寄託に関する協定で、パリ条約第19条「特別の取極」に基づき、1925年11月6日にヘーグにて無審査国が中心となって締結され、1928年6月1日に発効した。その後の数次の改正を経て、現在は、1934年にロンドンで改正された「1934年アクト」と1960年にヘーグで改正された「1960年アクト」の2つのアクトが有効に存在している。現在の加盟国で25カ国で審査国は1カ国のみである。 現行ヘーグ協定の改正の目的は、米国、英国、日本、北欧諸国等の審査国の加盟を促進し、実質的に国際的な意匠の保護制度を創設することにある。この目的のもと、今まで5回の専門家委員会を開催して検討してきたが、特に前回の第5回専門家委員会において、無審査国と審査国との間で制度の相違による利害の衝突が顕在化した。そのため、今回の専門家委員会において、それぞれの制度に適応した分離規定とする新アクト案が提案されるに至った。 今回の専門家委員会では、かかる分離規定から生ずる種々の問題について意見や提案があったものの、新アクト案をまとめる方向で議論が進められ、修正も行われた。しかしながら、最重要テーマである各国における保護要件の取扱いについては次回の第7回専門家委員会に持ち越さされることになっており、最大の山場を迎えることになる。 |