「知財管理」誌
Vol.47 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 47巻(1997年) / 5号 / 667頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.228 ダブルパテントにおける先発明の実施と後発権利の侵害の有無 |
著者 | 吉澤敬夫 |
抄録 | 被告Yの製品は、原告Xの実用新案の考案の構成要件を全部充足するものであるが、Xの実用新案の先願にかかるY自身の特許発明の実施品でもあるときには、先願にかかる他人の特許権との関係を定めた実用新案法17条、26条(特許法81条)の趣旨に照らし、後願たる実用新案件の禁止権によって制約されず、その発明を実施することができた、としてXの請求が棄却された事例である。本件は、後願の実用新案が、先願の発明を含む形で登録されてしまった場合であり、ダブルパテントの一種といえるが、そのような場合に、権利行使が可能であるかどうか、について明確に判示したものであり、その理論構成も興味深く、実務上の参考となる。 |