「知財管理」誌
Vol.47 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 47巻(1997年) / 5号 / 633頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 日本の均等論における置換可能性有無の判断 |
著者 | 早坂巧 |
抄録 | 日本における均等論主張の一要件とされる置換可能性は、侵害成否を方向づける争点となり得る。しかし発明が技術的思想であることから、置換可能性有無の判断がより所とする作用効果の同一性の判断も、技術的思想をどのように把握するかにより影響を受け、また作用効果をどのような概念レベルで把握するかによっても変動する。このように重要性がありながら、置換可能性判断のための確立された指針はないように思われる。 一方、置換可能性は、置換容易性検討の前提として判断するものであるから、イ号が侵害として本来排除されてしかるべきものか否かにつき技術自体の面からの判断根拠を得ることを目的とすると考えられ、そのような目的に照らして判断を行うべきであろう。 これらの観点から、置換可能性有無に争いのあった4判例につき検討し、判断にあたり考慮すべき事項を幾らか明確にすることができた。 |