「知財管理」誌
Vol.47 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 47巻(1997年) / 2号 / 229頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | バージニア東部地区裁判所における特許訴訟 |
著者 | ジョージ・F・パパス、ロバート・G・スターン、谷義一(訳) |
抄録 | 東部地区裁判所は、米国の事件を最も早く処理する、ロケット・ドケット・コートとして知られている裁判所であり、特許事件を含め、訴状提出から公判までの平均期間は7カ月あるいはそれよりも短い。同地裁の徹底した裁判所管理および一貫した規則によって米国内で最も効率的な裁判所が実現されている。他の裁判所で仮処分の決定を得るよりも短い時間で、当事者は特許事件の本案について解決を得てきている。東部地区裁判所は官公庁等に近いことから多くの企業が存在するバージニア北部を管轄としているため、迅速な解決を求める当事者にとって、東部地区裁判所は都合がよい。実際には、当事者は、経験ある弁護士とともにこの裁判所独自の規則(ローカル・ルール)および審理の予定表を厳守する東部裁判所に出頭さえすれば、迅速な事件処理が得られるのである。 「時は金なり」というように、裁判所において費やされる時間が短縮されると、裁判費用が少なくなり、市場シェアが維持され、および新しいテクノロジーに投資する場合に生じる不確実さが減少することにつながる。また、東部地区裁判所が提供しているような、迅速でかつ費用が少なくてすむ事件処理によって特許制度の価値および本来の役割が維持され、むしろ増加さえする。この論文は、原告および被告のいずれの立場からも東部地区裁判所について知っていただき、その原則をいかに利用するか、また管轄権および裁判籍にいかに対処し、維持するかについて説明することを意図して書かれており、東部地区裁判所の規則および手続きの概要から始めて、管轄権および裁判籍に関する考察で締めくくられている。 |