「知財管理」誌

Vol.47 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 47巻(1997年) / 11号 / 1681頁
論文区分 特集(経済性を考慮したこれからの知的財産管理)
論文名 知的財産権紛争の意思決定分析― デシジョン・ツリー分析によるロイヤルティの決定 ―
著者 姉川知史
抄録 知的財産権の価値評価は企業の意思決定において重要な役割を担っている。しかし、ライセンス取引におけるロイヤルティは主に類似取引と取引慣行によって決定され、理論的分析は確立していない。本稿ではロイヤルティが知的財産権の訴訟と交渉と言う紛争プロセスの中で決定される点を重視し、経済学とりわけ「割引キャッシュ・フロー法」と「デシジョン・ツリー分析」によってロイヤルティの理論的意思決定分析を行う。日米企業の訴訟事例を想定してデシジョン・ツリー分析の応用方法を概説し、その有効性と限界を示す。また、理論的分析が実務家の現実の意思決定とどのように異なるかを検討する。本稿で提示した理論的分析は、ライセンス交渉や訴訟に対する経済学の初歩的応用例であるが、企業の知的財産権管理において簡単かつ効果的な分析方法を提供することが示される。
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