抄録 |
今や企業はメガコンペティションといわれる厳しい競争時代に突入しています。また情報・通信技術をはじめとする高度技術は、企業の事業運営に劇的な変化を及ぼしてきています。ネットワークを通して情報が商品としてボーダレスに取り引きされる時代を迎え、企業のビジネス環境は激変し、第二の産業革命にも匹敵する変化の時代が到来しつつあります。このような変化に対応した事業戦略の遂行が企業の生き残りを決める時代となっております。このような時代にあって、技術開発を指向する企業にとって、知的財産が有力な経営資源としてますます重要な位置を占めるようになっており、企業の知的財産活動の巧拙が事業収益のみならず、事業展開に大きく影響を及ぼすようになってきています。こうした状況並びに米国で続くプロパテントを背景に、我が国でも知的財産権強化の動きが、損害賠償額増額など侵害に対する罰則を強化する方向で検討される状況となっています。企業にとっては、今やこうした環境変化と状況に即応した知的財産活動への期待が富みに増しています。このような時代に優位な企業経営をするために知的財産活動はどうあるべきか、そしてその活動の経済性はどのように考えるのが適切か、私見を述べご参考に供したいと思います。 |