「知財管理」誌
Vol.47 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 47巻(1997年) / 10号 / 1557頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ |
論文名 | No.233 商品の形態模倣と企業内管理― 断熱ドレンホース事件 ― |
著者 | 八重樫信夫、宇野元博 |
抄録 | 本件は、「断熱ドレンホース」を製造販売している原告が、同種の商品を販売している被告に対し、被告商品の販売が、不正競争防止法2条1項3号のいわゆる「商品形態模倣」行為にあたるとして訴えた事件であり、商品に内在する形態の模倣が不正競争防止法上の形態模倣行為に当たるかどうかが争点となった。裁判所はこの点につき、外観に顕れない内部構造にとどまる限りは2条1項3号にいう「商品の形態」に当たらないと判示し、原告の請求を棄却した。本判決は、「商品の形態」という法律上の要件を解釈する上で、一つの指針となる注目すべき判決であると考えられる。本稿では、外観に顕れない形態についての著者の考え、及び本判決で判断されなかったその余の争点について、推考すると共に、本判決及び最近の判例を視野に入れて、商品形態模倣の企業内管理のあり方について考察を試みたい。 |