「知財管理」誌
民間調査能力活用に関するアンケートの結果報告
2002.03.04
特許第2委員会
第3小委員会
平成13年12月〜平成14年1月にかけて特許第1・特許第2委員会の各委員の皆様を対象にしたアンケートの結果を集計しましたので報告致します。
1.アンケート概要
1.1 趣旨
平成13年度特許第2委員会第3小委員会では、特許出願の迅速かつ適確な審査の促進に向けての制度改革の観点から、民間調査機関の調査能力活用の可能性を検討した。本アンケートでは、審査滞貨対策として特許庁審査における先行技術調査を民間調査機関が受託することを会員企業がどう考えるかを確認するとともに、制度化する際の問題点を抽出する。
1.2 対象者
特許第1委員会および特許第2委員会の各委員。
なお、民間調査機関の調査能力活用はJIPA内でも意見統一される前の案段階のものであるから、協会外の民間調査会社への アンケートは行わないこととした。
1.3 アンケート時期
平成13年12月〜平成14年1月
2.アンケート結果の概要
2.1 回答者について
- アンケート依頼件数103企業中、有効回答数60件。
- 業種に関わらず、「社内」で調査を行っている企業が大多数。
- 調査費用は化学系企業の方が若干割安との傾向。
2.2 「民間調査会社による先行技術調査の受託」について
- 約8割の企業が認めて良いとしている(審査促進、競争原理導入が主な理由)。
- 認めた場合の懸念事項として、公平性・質の担保を多数の企業が挙げている。
- 認めてよいとした意見には、何らかの策を講じれば担保可能(公平性:8割、質:9割)であろうとするものが目立った。
- 「公平性」に関しては、サーチ案件毎に調査会社名を公表したり、利害関係にある出願人の案件を除いたりすることで十分に担保可能であるとの意見が多数。
- 「質」に関しては、結果のフィードバックにより担保可能であるとする意見が多数。
- なお、公平性・質の担保に関しては、化学系企業の方が楽観的との傾向が見られる。
2.3 「調査者資格制度の採用」について
- 約5割が賛成、反対は約2割となった。
- 賛成の理由は、インセンティブの付与、質・公平性担保など。
3.アンケートの主な質問内容とその集計結果について
アンケートの質問事項のうち主なものをその結果とともに以下に示します。本報告書に記載のない結果については回答結果一覧のファイル内を確認下さいますようお願い致します。
(Q1 先行技術調査の現状)
Q1‐1 貴社の業種は何ですか?
- 電機
- 機械
- 化学
- その他
Q1-2 貴社では案件の重要度に応じて先行技術調査のレベルを変えていますか?
- 変えている
- 変えていない
- 案件の重要度に係わらず先行技術調査は行っていない
Q1-6 調査費用についてお伺い致します。通常案件につき、Fターム検索で200〜300件程度に絞り込み、その後、内容を検討して10件程度に絞り込む程度の先行技術調査を外部(又は貴社の関係調査会社)に依頼する場合、1案件にどのくらいの費用をかけていますか?
- 4万円未満
- 4万円以上 7万円未満
- 7万円以上10万円未満
- 10万円以上15万円未満
- 15万円以上
(Q2 民間調査会社による先行技術調査の受託)
Q2‐1 先行技術調査を一定要件下で民間調査会社が行うことを認めてもよいと思いますか?
- 認めてよい(賛成)
- 認めるべきでない(反対)
Q2-3 Q2-1で「認めてよい」と答えた方に伺います。 先行技術調査を認めたとして心配される事項はありますか?
- 調査業務の公平性の担保
- 調査結果の質の担保
- 調査業務の円滑な実施
- 機密性の確保
- IPCCに対して調査費用が割高になることに伴う審査請求料のアップ
Q2-4 Q2-1で「認めるべきでない」と答えた方に伺います。先行技術調査を認めるべきでないとした主たる理由をお教えください。
- 調査業務の公平性の担保
- 調査結果の質の担保
- 調査業務の円滑な実施
- 機密性の確保
- IPCCに対して調査費用が割高になることに伴う審査請求料のアップ
- その他
Q2-5 民間調査会社が先行技術調査を行う場合に公平性の担保は可能であると考えますか?
- 可能である
- 不可能である
Q2-8 民間調査会社が先行技術調査を行う場合に調査結果の質の担保は可能であると考えますか?
- 可能である
- 不可能である
Q2-11 指定調査機関としての調査結果の質の担保の一環として調査者資格制度を創設することをどのように考えますか?
- 必要である
- 必要ない
- どちらともいえない
(以上)
アンケートにご協力頂きました皆様、ありがとうございました。
2002.03.05
特許第2委員会第3小委員会一同
