専門委員会成果物

EU/欧州共同体商標規則等の最終改正案可決

 2015年12月23日に加盟国の法律をハーモナイズするための指令(ハーモ指令)、及び2015年12月24日に改正欧州共同体商標規則が、それぞれ欧州共同体公報に公告された。この公告により、 ハーモ指令は2016年1月14日に発効、改正欧州共同体商標規則は2016年3月23日に発効し、加盟国は36月以内に履行しなければならない。商標権の取消し又は無効のための行政手続きの導入は7年以内に履行する義務が加盟国に発生する。
(改正内容は9月掲載済)

(OHIM、他)

EU/クラスヘディングで登録されたCTM(EUTM)に関する新規則

 上記欧州共同体商標規則等の最終改正案が可決されたことに伴い、昨年9月に掲載したように、新規則発効後はクラスヘディングで記載された指定商品・役務は文字通りの意味に解されることとなる。 IP Translator 判決(2012年6月22日)以前に、クラスヘディングのみを指定して登録されている商標について該当するクラスに属する全ての商品・役務の保護を望む場合は、改正欧州共同体商標規則の発行日である2016年3月23日から6ヵ月以内(2016年9月23日まで)に、商品・役務の書き換えの「宣誓書」を提出する必要がある。

(OHIM、他)

インド/商標規則改正草案

 2015年11月19日付で商標規則の改正草案が公表された。現時点で想定されている改正点は以下の通りであり,今後の動向を注視したい。
  1. オフィシャルフィーの値上げ
    異議申立を除く商標に関する全ての手続について100%の値上げがされる。また、紙ベースでの申請手続については更に10%割増となる。
  2. 使用宣誓書
    使用意思に基づく出願の場合を除き、出願日前における商標の使用を主張する場合、出願時に使用証拠と宣誓書が求められる。
  3. 早期審査の導入
    現在、早期審査の対象は出願審査のみだが、異議申立を含む最終処分までの全ての手続きに拡大される。
  4. 著名商標の認定
    商標権者は自ら商標が「著名商標」であると主張し、該当のオフィシャルフィーを支払い著名商 標リストへの登録申請をする。改正法では登録官に著名商標を認定する権限を持たせており、登録官が申請人の提出した証拠と宣誓書をもって、著名商標に該当するか否かを最終的に判断する。更に、登録官は後日登録が過誤であったと判断した場合、該商標をリストから削除する権限も有する。
  5. 音商標の導入
    音商標を出願する際、30秒以内のMP3形式のファイルを記録したメディアとそれを表記した楽譜を提出する。

(インド特許庁)

タイ/著名商標登録制度の廃止

 タイの著名商標登録制度は、審査の保留,新規出願の凍結がされており,2015年9月9日付で著名商標認定制度を廃止することが決定された。ただし、すでに著名商標認定を受けたものは、審査において考慮される。

(NGB、他)

ロシア/著名商標に関する新規則

 2015年10月13日付でロシアにおいて著名商標登録規則改正があった。著名商標を申請した場合、ロシア特許庁は最大で10か月以内に認定か否かを決定する必要がある。 (現行規則では期間の定めなし。)

(ロシア特許庁)

ラオス/マドプロ加盟

 ラオス政府は、2015年12月7日付でマドリッド協定議定書(マドリッド・プロトコル)への加入書を世界知的所有権機関(WIPO)に寄託した。同協定議定書は、2016年3月7日より発効している。本加盟により、マドリッド・プロトコルの締約国数は97となった。

(WIPO HP、他)

クウェート/オフィシャルフィーの値上げ

 2015年12月27日に出願料、登録料、更新料などのオフィシャルフィーが大幅に値上げされることが公示され、2016年1月から適用されている。同月以降の出願のみならず、現在出願中の案件についても値上げ後の料金が適用される。

(NGB、他)

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