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専門委員会成果物
WIPO:COVID-19の研究に関する報告
世界知的所有権機関(以下,WIPO)は,COVID-19に関連した特許出願に関するレポート(COVID-19-related vaccines and therapeutics)2)を発表した1)。
本レポートについて,WIPOのDaren Tang長官は,「本レポートは,パンデミックが世界の科学界の前例のない動きを引き起こしたことを強調し,COVID関連の治療に関する開発において企業,大学,研究機関等が果たす役割に光を当てている。」と述べている。
レポートでは,2020年1月から2021年の9月までの21カ月間にCOVID-19に関連した特許が約5,300件出願されたことが報告されている。そして,約5,300件の中に,COVID-19のワクチンに関連する特許が約400件含まれていることが報告されている。なお,ワクチンの出願の上位は,中国,米国,ロシアの順であることが報告されている。
本レポートについて,WIPOのDaren Tang長官は,「本レポートは,パンデミックが世界の科学界の前例のない動きを引き起こしたことを強調し,COVID関連の治療に関する開発において企業,大学,研究機関等が果たす役割に光を当てている。」と述べている。
レポートでは,2020年1月から2021年の9月までの21カ月間にCOVID-19に関連した特許が約5,300件出願されたことが報告されている。そして,約5,300件の中に,COVID-19のワクチンに関連する特許が約400件含まれていることが報告されている。なお,ワクチンの出願の上位は,中国,米国,ロシアの順であることが報告されている。
公開/審査スピードに関する分析
WIPOは,レポートの中で,化学に関連した特許とCOVID-19に関連した特許の出願から公開及び権利化までの期間を分析している。なお,比較対象の国として,出願から公開までの期間は,日本,中国,米国,韓国を挙げている。また,出願から権利化までの期間は,上記4カ国に加え,ロシアを挙げている。日本において,化学に関連した特許は,出願から公開までの期間は平均で約18.9カ月を要しているのに対し,COVID-19に関連した特許は,平均で約13.8カ月であった。なお,中国,米国,韓国においても,COVID-19に関連した特許の出願から公開までの期間は短くなっていた。
また,日本において,化学に関連した特許の出願から権利化までの期間は,21.3カ月を要しているのに対し,COVID-19に関連した特許は,平均で約10.3カ月であった。なお,中国,米国,韓国,ロシアにおいても,COVID-19に関連した特許の出願から公開までの期間が短くなっていた。このように,COVID-19に関連した特許は,各特許庁で迅速に処理されていることが本レポートで報告されている。
注 記
- New COVID-19 Research:Universities and Research Organizations Highly Active in Vaccine Patenting During Pandemic’s Early Days; China, U.S.-based Applicants Lead in Vaccine and Therapeutics Innovation (2022年3月10日)
https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2022/article_0003.html - COVID-19-related vaccines and therapeutics
https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/wipo-pub-1075-en-covid-19-related-vaccines-and-therapeutics.pdf
(井下 健輔)
