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外国特許ニュース
中東編 〜 US Special 301条 監視国の状況
2021年４月30日，米国通商代表部（USTR）から，US Special301条の最新レポートが発行されました１）。このSpecial301条レポートは，アメリカ合衆国が，知的財産権の保護状況や公平な市場アクセス状況などを調査し，警戒レベルを「優先国」，「優先監視国」，「監視国」の３段階に分けて，その状況を報告するもので，各国における知財保護状況などを読み取ることができます。
今回，国際第４委員会では，「中東編」と題し，サウジアラビア，クウェート，レバノン，トルコ，アラブ首長国連合を取り上げ，2021年度版 Special301条における各国の状況について，2020年度版からの変化を中心に，知財視点から，概要を纏めました。
【総括】
中東５ヵ国のうち，サウジアラビア，クウェート，レバノン，トルコの４ヵ国は，各国ともに，知財保護に向けた法整備や体制強化などが進み，評価された一方で，知財保護の執行状況や国際条約への加盟・遵守のさらなる強化などについて，引き続き，改善が必要であるとして，監視ランクが維持されています。その一方で，アラブ首長国連合は，昨年，懸念点として指摘されていた，知財保護の執行状況が改善された点などが評価され，監視国から外れるという大きな変化がありました。
【国別】
- サウジアラビア
知財保護強化に向けた措置の改善が評価される一方で，昨年に引き続き，医薬品の販売認証向けのデータ保護の脆弱性，オンラインでのコンテンツ保護，および民事・刑事面での保護について，懸念が示され，優先監視が維持されています。 - クウェート
著作権保護に対する取り組みが評価される一方で，知財保護に関する法規則の不明瞭さや知財執行手続き面の不透明性，および司法判断の一貫性欠如に対する懸念が示され，監視が維持されています。 - レバノン
知財保護及び取り締まり強化の動きは評価される一方で，各種国際条約への加盟・遵守が進んでいない点などが懸念されるとして，監視が維持されています。 - トルコ
2016年から続く，著作権を含む知的財産権の法規制を整備する動きや，侵害品の輸出入に対する取り締まり強化の姿勢は評価される一方で，医薬品認証に関するデータ保護の脆弱性や，特許紛争の早期解決に向けた体制整備，およびトルコ国家警察による模倣品取り締まり体制の強化について，引き続き改善が期待されるとして，監視が維持されています。 - アラブ首長国連合
UAEは，長年，懸念点として指摘されてきた，医薬品の知財保護やドバイ税関による取り締まり強化，あるいは首長国間や執行組織間での権利執行手続きの整備などが評価され，監視対象から外れるという大きな変化がありました。
| 表１ 中東５ヵ国における2021年 Special301条の概要 ※下線部：20年度からの変化点 | |||||
| 監視ランク | 優先監視 | 監視 | 除外 | ||
| 国 | サウジアラビア | クウェート | レバノン | トルコ | アラブ首長国連合 |
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| 前年度との比較 | 変化なし（維持） | 変化なし（維持） | 変化なし（維持） | 変化なし（維持） | 監視国から外れる |
| 評価する点 |
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| 主な懸念点 （改善余地あり） |
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| 主な奨励点 |
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以下条約等の批准。�．僖蠑鯡鵤院�12条，�⊂ι庫，亡悗垢襯轡鵐�ポール条約，��ニース協定に関する知的財産条約，�ぅ戰襯名鯡鵑�WIPOに係る著作権条約，�テ探�協力条約，�Ε泪疋螢奪謬陳蟒顱き�WIPOインターネット条約 |
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国際第４委員会では，中東，ASEAN，インドを中心に，新たな兆しに関するニュースなどを順次お届けする予定です。今後ともよろしくお願い致します。
注 記
1） https://ustr.gov/sites/default/files/files/reports/2021/2021%20Special%20301%20Report%20（final）.pdf
（注）「アジア・オセアニア特許情報」は，最新とは言えない情報も含め，会員に有用と思われる情報を掲載しています。内容については正確を期したつもりですが，二次情報もあり，必ずしも情報源への確認が充分と言えない場合があります。詳細については会員各位にてご確認下さい。
