専門委員会成果物

WIPOが2015年のPCT出願動向を発表

  世界知的所有権機関(WIPO)は,2016年3月16日のニュースリリースで2015年のPCT出願動向を発表した。
2015年もPCTの利用は増えて前年比1.7%増の約218,000件の出願がされた。
2015年のPCT出願国トップ10は,順位を含めて2014年と同じとなった。米国は前年比6.7%減だが首位を維持し,日本,中国が続く。日本は前年比4.4%増であった一方,中国が16.8%増,韓国が11.5%増と 二桁成長を見せている。日本,中国,韓国のアジア3ヶ国からの出願が全PCT出願の40.7%を占め,アジア全体では2005年に比べてシェアが2倍以上増えた。トップ10の各国出願件数と割合は以下の通りで あり,順位右のカッコ内の数字は2014年順位を示す。
1. (1) 米国   57,385件   (26.3%)
2. (2) 日本   44,235件   (20.3%)
3. (3)   中国   29,846件   (13.7%)
4.  (4)  ドイツ   18,072件   (8.3%)
5.  (5)  韓国   14,626件   (6.7%)
6.  (6)  フランス   8,476件   (3.9%)
7.  (7)  英国   5,313件   (2.4%)
8.  (8)  オランダ   4,357件   (2.0%)
9.  (9)  スイス   4,280件   (2.0%)
10.  (10)  スウェーデン   3,858件   (1.8%)
であった。韓国は7位の6,411件(+4.0%),中国は8位の5,721件(+22.2%)であった。

 2015年PCT出願公開の出願人トップ3は,ファーウェイが3,898件のPCT出願公開で2014年と同じく首位であり,クアルコムが2,442件で第2位,ZTEが2,155件で続く。日本企業は,三菱電機が5位に入った他, 20位以内にはトヨタ自動車,パナソニック,日立製作所,シャープが入った。
トップ10の出願公開件数は以下の通りであり,順位右のカッコ内の数字は2014年順位を示す。

1. (1) ファーウェイ(中国)  3,898件
2. (2) クアルコム(米国)  2,442件
3. (3) ZTE(中国)  2,155件
4.  (11)  サムスン電子(韓国)  1,683件
5.  (5)  三菱電機(日本)  1,593件
6.  (7)  エリクソン(スウェーデン)  1,481件
7.  (16)  LG電子(韓国)  1,457件
8.  (21)  ソニー(日本)  1,381件
9.  (10)  フィリップス(オランダ)  1,378件
10.  (25)  ヒューレット・パッカード(米国)  1,310件
 2015年PCT出願公開の教育機関出願人トップ10のうち,8つが米国,1つが中国からであり,日本からは東京大学が入った。
 PCT出願公開の技術分野については2014年と同じ傾向にあり,コンピュータ技術が16,385件で全体の8.2%で最大のシェアを占め,続いて僅差でデジタル通信が16,047件, その後に電気機械/装置/エネルギーが14,612件,医療技術が12,633件と続く。

(WIPOニュースリリース)
 http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2016/article_0002.html#_ftnref1

(参照日:2016年3月22日)

(中島 敦)    

  
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